ハーラン エステート[2020]
Harlan Estate Napa Valley20[TWI公式評価:100点]
タイプ | 赤ワイン |
産地 | カリフォルニア/ナパ・ヴァレー |
品種 | 自社畑17haの栽培品種と植樹率/カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ20%、カベルネ・フラン8%、プティ・ヴェルド2%(ヴィンテージによりブレンド率は異なります) |
容量 | 750ml |
ザ・ワイン・インディペンデント(TWI)の公式評価とコメント:100点
「2020年のハーラン・エステートは深い紫黒色を示し、チョコレートコーティングのチェリー、桑の実、クレーム・ド・カシス、そしてタール、スミレ、赤系ベリーのゼリー、掻き起した葡萄畑の土のニュアンスが続き、黒トリュフの香りが漂う。ミディアムからフルボディの味わいは非常にタイトで、たくさんのミネラル、赤系黒系ベリーの層が絡み合い、驚くほど複雑でありながら、美しい「毒」を思わせる程魅力的な体験を提供してくれる。タンニンは非常にきめ細かく、高い緊張感、鉱物的なミネラル感が押し寄せる素晴らしい余韻を堪能できる。正直にWow!と言ってしまう程、ピュアで、シンブルに感動が訪れる真実味のあるワインだ。」April 2023 & April 2024再評価
リサ・ペロッティ―・ブラウン/100点満点の評価
リサ・ペロッティ・ブラウンMWはワイン・アドボケイトにロバート・パーカーの右腕として5年間の後、パーカー退任後編集長を8年務めた。2021年に退任。2022年に自らのサイト「ザ・ワイン・インディペンデントTWI」を創立。広告費、権力に傾かないワインサイトを独自の取材、美しい写真、ワイナリーレポートを掲載するサイト運営している。(出資はワイン業界とは別の企業より受ける)
ヴィンテージについて(土地を理解しようとする長い旅の中の転換点)
2020年ヴィンテージはハーラン・エステート40年の歴史の中で土地をより深く理解するための重要な転換点となった。創業当初から栽培チームは典型的な農法の原則を超越しようと努力してきたが、過去12年、ブドウ樹が成熟する段階に入るにつれ、土壌や周囲から徐々に得られた彼らの蓄積された知恵や力をもって環境に適応していく姿をみることで、ブドウ樹の生命力を信頼するようになった。栽培チームが選んだ道(農業というよりガーデニングに近い)を進むにつれて、私たち自身が土地の個性を明確につかむことができるようになったのである。
1月から2月にかけて非常に暖かく乾燥した日が続いたことを除けば、生育期は順調で3月に少し気温が下がり、若干の降水があり、春の穏やかさは夏まで続いた。数十年にわたるわが社のブドウ栽培の技術の進歩によりブドウ樹は早い段階でタンニンを磨き上げ、質感のある熟成を可能にすることができた。このブドウ果実の熟成の促進が過去数年の雨が少なかった年に収穫時期を早めることを可能にし、2020年の9月下旬にグラス・ファイ(山火事の名前)が始まる前に完全に収穫を終えることができたのである。ナパ・ヴァレーでこのような僥倖に恵まれた生産者は他にあまりないのではないか、と思われる。
2020年ワインメーカーのコメント(コーリー・エンプティングより)
ワインそのものがブドウ樹の進化し続けている証である。ハーラン・エステートの官能的な優雅さはそのままで、2020年ヴィンテージはメタモルフォシス(変身、変容する)のワインとして生き生きと魅惑的だ。花のようなスパイスと新鮮な土臭さがグラスから立ち昇り、焦点を絞り込んで華やかに照らしだされる。口当たりは繊細なディテールと美味なタンニンで満ちており、親しみやすい領域から神秘的な冷たさへと持続的に共鳴にする。力強さと骨格が絡み合い、生き生きとした酸によって抒情的にさえ感じられる。肉体的な現実世界と霊的な世界の両方にこのワインは存在するのだ。