ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス シャンボール・ミュジニー[2019]
Domaine Roux Pere et Fils Chambolle Musigny19
タイプ | 赤ワイン |
産地 | フランス/ブルゴーニュ/シャンボール・ミュジニー村 |
品種 | ピノ・ノワール100% |
容量 | 750ml |
5世代に渡って続く、ブルゴーニュの老舗大規模メゾン
ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィスは、ブルゴーニュ地方コート・ドールの村、サン・トーバンを拠点に、ブルゴーニュのほぼ全域のワインを造っている一大生産者。5世代に渡り受け継がれた伝統と革新を併せ持っている家族経営のドメーヌです。創業者のルセル・ルー氏は1885年にドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィスを設立しワイン造りを開始。僅か4haの畑から始まったドメーヌですが、現在所有している自社畑は、村名、プルミエ・クリュ、グラン・クリュ合わせ、計70haにも及び、ネゴシアン業と合わせて70を超える銘柄を生産しています。また1998年にはラングドックのシャトー・ド・サンセリー、2000年からはドメーヌ・サンクロワのオーナーとなるなど、活躍の場はブルゴーニュに留まらず、造られるワインは世界58ヵ国で愛飲されています。2012年からは5代目の兄弟が、家族から受け継いだ畑と伝統的手法ルー・メソッドと呼ばれる醸造理念を大切にしながらも、若い発想を活かして更なる品質向上を目指しています。モットーとしているのは土壌と自然に敬意を払ったワイン造り。果実のピュアさが前面に出たワインを造り出しています。多大な手間をかけて造り出されるワインは、その高い品質から数々の賞を受賞し、多くの有名なレストランやホテルのワインリストへも掲載されている他、英国航空のファーストクラスをはじめ、各国航空会社のビジネスクラスでも採用された実績を誇ります。
2019年のブルゴーニュは4月の霜害と初夏の暑さによる水不足で収穫量が大きく減少。ブドウの生命力と栽培家の力量が試された年となりました。しかし夏から秋に移る頃には冷涼な日々が続き、穏やかな収穫期を迎えたことで、上質な酸を備えたフレッシュなブドウの収穫に成功。2018年のワインが緻密なボディや凝縮感のあるスタイルであるのに対して、2019年のワインはピュアな酸が魅力の味わいに仕上がっています。
明るいルビー色の外観。グラスに注ぐと、上品なスミレとラズベリーやイチゴなど赤系果実のブーケが鼻腔をくすぐります。熟成させると、スパイスや熟した果実、トリュフに森の下草、動物の香りのニュアンスが出てくるでしょう。リッチな口当たりで、凝縮感のある果実味が魅力。その後、旨味が溶け込んだ複雑な味わいが続きます。タンニンはシルクやレースのように滑らかで、美しい酸が溶け合い、優美な余韻へと変化。繊細だが肉厚なテクスチャーとがっしりした骨格を備えた1本です。
シャンボール・ミュジニー村のブドウのみを用いた村名キュヴェ。ルー・ペール・エ・フィスでは、砂利と小石交じりの石灰岩質土壌の区画で育つブドウを使用しています。栽培では、1haあたり10,000本のブドウ樹を密植しており、ギュイヨ方式で管理。平均樹齢は55年と高樹齢で、収量は約45~45hl/haに留めているため、凝縮感のあるブドウが成熟します。古樹由来の旨味が感じられるのもポイントです。手摘みによる収穫の後、醸造では、ステンレスタンクで約15日間発酵。その後、新樽比率25~30%のオーク樽に移し替え、発酵を続けます。熟成では、発酵に使用した樽内でそのまま16~19ヵ月間実施。こうして出来上がるのは、凝縮した果実味と旨味、しなやかなタンニンが絶妙に溶け合った、繊細なスタイル。ルー・ペール・エ・フィスが造るコート・ド・ニュイの赤ワインは、シャンボール・ミュジニー村とヴージョ村が主軸であり、彼らの魅力を十分にお楽しみいただける村名キュヴェに仕上がっています。ペアリングでは、ジビエや仔羊のローストなどお肉を用いたフランス料理などと合わせると、相性抜群の1本です。