ヤン ドゥリュー VdF ブラック ピノ[2018]
Yann Durieux VdF Black Pinot18
タイプ | 赤ワイン |
産地 | フランス/ブルゴーニュ |
品種 | ピノ・ノワール100% |
容量 | 750ml |
粘土石灰質土壌の区画から造られる。ニュイ サン ジョルジュの南西に位置する、オート コート ド ニュイのヴィラー ラ フェイ(Villers-la-Faye)にある区画で、標高400m、樹齢40年の南向きの畑。1er Ponts Rougeと同じ区画で、パーセルによって使用する葡萄を分けています。樽は使用せずキューヴ タンクで10カ月熟成させたキュヴェ。1ヶ月間のマセラシオン。滑らかですぐに楽しめる入門的キュヴェであり、2010年のファーストリリース以来、伝説となったキュヴェ。2018VTらしい濃厚なルビー色。黒系のベリーのニュアンスが強く、カシス、ブラック ベリー、ルバーブ、イチゴのバルサミコ和えの様な香り抜栓直後は極々少量の揮発酸を感じますが、ちょっとしたアクセント的に感じられます。正にヴィンテージの特徴を表した濃厚で官能的な質感。時間の経過と共に純度80%のカカオチョコの様なザラっとした質感も感じられ、2018年の暑さを感じられます。全体的に何とも言い難い癖になる味わいがあり、凛とした酸と重厚な果実味がヤン ドゥリュー的唯一無二の存在を感じさせます。
基本的には遅めのタイミングで収穫をするヤンは、多いと10ヶ国以上の季節労働者50~60人で行っていますが、例え季節労働者でもレベルの高い仕事をして欲しいと思っているため、仕事に見合った給料を払っているとの事。良い仕事をするために、眼に見えない所にも配慮を欠かさないヤン。そんな一つ一つの涙ぐましい努力の結晶である彼のワインのご案内です。
【ドメーヌ説明】
ヤン ドゥリューは、オート コート ド ニュイのエリアでニュイ サン ジョルジュとアロース コルトンの間に位置するヴィレ=ラ=フェイ村を中心にワイン造りを行なっています。2010年がデビューとなるヴィンテージで、3haほどの広さの畑から革命的なワインを生み出しています。ジュアリン ギュイヨの下で7年間ワイン造りを学び、その後、DRC社の共同経営者としても知られる、故アンリ フレデリック ロック氏のドメーヌ プリューレ ロックで2008年から栽培を担当していました。彼は、自身のワインをリリースするようになってからも、プリューレ ロックでの仕事を続けており、ロックでの仕事を終えた後や休日などを利用してブドウを育て、ワイン造りに取り組んでいた情熱ある生産者です。ブルゴーニュでも比較的注目されていない土地の中から、可能性を秘めたテロワールを発掘し、その土地で素晴らしいワインを生み出すことに情熱を注いでおり「ブルゴーニュには、今評価されている区画以外にも、誰も挑戦していないけれど素晴らしい可能性を秘めた土地、テロワールがある。僕の人生はそういった土地を発掘し、素晴らしいワインを生み出すこと。」と言います。
そんな彼のアンテナにキャッチされたのがオート コート ド ニュイという地域。オート コートという格下に見られがちなこの土地で、徹底的にテロワールの可能性を引き出し、従来の常識を凌駕するワインをファースト ヴィンテージから生み出すことに成功し、ブルゴーニュという、ともすれば保守的になりがちなこの土地で、ここまでリスクを取る覚悟を決めたワイン造りに取り組むヤンドゥリュー。その結果は、ボトルに詰められたワインからしっかりと感じることができます。「攻めた」といってもあらゆる要素が完璧なバランスのブドウから造られるワインは、豊富なミネラルと芯のある果実味があり、非常に端正で美しさのある味わいで、不安定さとは無縁です。ロックやパカレに通じる雰囲気もありますが、その偉大な先輩たちすらも持っていない「明るさ」も備えていて、気難しさはなく常に外向的で人懐っこい味わいを楽しませてくれます。そのワインから感じる「明るさ」が、造り手本人に会った際に感じる人柄とシンクロしているというのも興味深い点で、実際ヤン ドゥリューは笑顔を絶やすことのない好青年という雰囲気でした(ただし腰まで伸びたドレッド系の髪ともじゃもじゃの髭というファンキーな風貌でもあります)。
彼に理想のワインの姿を尋ねると「その日最初に飲むワイン、朝起きて最初に口にして清々しい気持ちにさせてくれるワイン」と答えてくれました。その明るく、清々しいワインを生み出すために、自分自身のすべてをワインに注ぎ込んでいるヤン。思わず踊りだしたくなる「明るさ」を備えた新時代のブルゴーニュワイン。パリ中のカヴィストやソムリエが話題にするヤン ドゥリュー!新しいブルゴーニュワインへの扉を開けてくれます。