スロボドネ・ヴィナルストヴォ スメタナ[2021]
Slobodne Vinastvo Smetana21
タイプ | 白ワイン※王冠キャップですがスティルワイン※ |
産地 | スロバキア |
品種 | フェルトリーナ100% |
容量 | 750ml |
インパクトあるエチケットは「わが祖国」などでスロバキア国内だけでなく世界的に有名な作曲家、べドルジハ・スメタナの肖像。クラッシックな方をモチーフに、でもかなりポップな色使いです。見た目の濁りほどではないものの果実味がしっかりしていて酸もあり、洋梨やスロボドネに総じてある青唐辛子のニュアンスと奈良漬けやスパイスっぽい余韻。フレッシュでクリームの様に優しく、白ビール(Weissbier)を思わせる味わい。少し時間を置くと白カビチーズっぽさも。ピンポイントですがクアトロフォルマッジョと合いそう。
スロヴァキアに於けるワイン造りの歴史は、2000年前にも遡るという。このワイナリー”スロボドネ”は、先祖が1912年にゼミアンスケ・サディの土地を買い、 農場を始めたのが初まり。ぶどうの他にも森林もあり、小麦や大麦、タバコなどを300haの土地で栽培していた。当時は、ヨーロッパで最大のタバコ乾燥場 を持つほどだった。1920-30年代にはワインもかなり生産し、現在のチェコ共和国の首都プラハでかなり飲まれており、”3人のボクサーへ”Vers les Trois Boxeursというブランドはかなり有名だった。第2次世界大戦時、共産主義者によりこの農園は接収されてしまい、以降廃れてしまった。祖母が古い醸造所 で昔書かれた農場の資料を発見したのを機に、1992年両親は廃墟のように廃れたこの農場を復元することを決意した。1995年、ようやく荒廃したぶどう畑 の再興に着手し、2010年には初めて自分たちのワインを市場にリリースるに至った。彼らの目的は、スロボドネを昔のように再興し、ゼミアンスケ・サディ の土地の特徴を表現する高品質なワインを造ることだ。 土地の特徴を表現する手法として、自然と白ぶどうを醸すオレンジワインやぶどうの植わる土から 造ったアンフォラを用いた醸造が生まれた。 オレンジワインと赤ワインの醸造には亜硫酸も一切使用せず、瓶詰め時僅かに添加するのみ。彼らの昔の栄 光を取り戻すワイン造りはまだ始まったばかりに過ぎず、今後更に素晴らしいワインを生み出してくれるに違いない!