ソイル セラピー アルザス シュール ポー[2020]
Soil Therapy Alsace sur Peaux20
タイプ | オレンジワイン |
産地 | フランス/アルザス |
品種 | シルヴァネール、ゲヴェルツトラミネール、ミュスカ、リースリング、So2:Total=35mg/L |
容量 | 750ml |
"アルザスの皮 (果皮) の上のアルザス"という名前の通りなキュヴェ。①アルザスのアロマティックなブドウのアイデンティティーを強調させる事と、②甘さや過剰な力強さを感じさせない事の2点を踏まえて造られたオレンジワイン。シルヴァネールを全房で2週間発酵させ、ゲヴェルツトラミネールとミュスカ、リースリングを一緒に果皮の上で1週間発酵させた。ステンレスタンクで7ヶ月間熟成でノンフィルターで瓶詰め。
濁りのある黄色み掛かったオレンジ色の外観。オレンジピールや薔薇の様な赤系の花の香りに加え、時間の経過とともに白桃、ピンクグレープフルーツの香りが膨らんできます。味わいは彼らの目指す通り、あくまでドライに仕上がりつつも、タンニンは控えめで、ついスルスルと飲み進められるスタイルに仕上がっています。抜栓から時間が経過するにしたがい、紅茶のフレーヴァーも出始め、より複雑さが感じられるようになります。2019VTよりもドライに仕上がっている為、食事との相性も抜群で、特に中華料理や東南アジアのエスニック、中央アジア〜コーカサス地方のスパイスを豊富に使う料理と最高の相性を見せます。
【ドメーヌ説明】
アルザスのナチュラルワイン中心地であるコルマール近郊で2017年よりワイン造りを始めた、いわゆる若手生産者ですが、彼らの経験は普通の若手生産者とは括れないものでした。
ワインとは無縁な家庭に育ったオーナーのトマとパートナーのミードリー。トマはパリに生まれ、ワイン造りに進むと決心してからボルドー、エルミタージュ、モンペリエで栽培、醸造、販売の全てを学び、2011年からは数年オーストラリアで修行し、その後アルザスのドメーヌ オステルターグで2016年まで修行しました。パートナーのミードリーは、ミュールーズで生まれ、10年間パリで国際的なビジネスの勉強と仕事をしていましたが、家族の元へ戻ることを決意し、アルザスで栽培と醸造を学びました。この数年間はマルク クレイデン ヴァイスで修行をし、2017年からトマと共にソイル セラピーを設立。
若い彼らが自らの望むワインを継続して造るために採用したのは、ミクロネゴスというスタイル。アルザスはブルゴーニュ、シャンパーニュと並び、畑が非常に高額で売りに出にくい地域。望む畑が手に入らないのであればと、望むブドウを購入するスタイルでワイン造りを始める事にしました。勿論、自らが納得し厳選した生産者からブドウを購入し、区画や収穫日を選び、栽培や収穫を自ら行っています。
更に彼らは自由な考えのワインを少しづつ広げていきたいという考えから、毎年少なくとも1つの新しいキュヴェ(テロワール)を生産するようにしています。
トマがワイン造りで最も大切にしているのは、各キュヴェにリューディーの個性を明確に表現させる事と、忘れ去られてしまった目立たないリューディーにもスポットを当てること。その為、特に注目されがちなグランクリュではなく、アルザス南部の美しい丘陵地帯にある個性的なリューディーに焦点を当てました。
最大の目的は、グランクリュだけでなく、地味だけれども素晴らしいポテンシャルを持つ畑の認知度向上と復興に貢献し、生産者とソムリエの間で、アルザスの偉大なテロワールの豊かさと質的な可能性についての認識を高めることだそうです。彼らのワインはシュレールやビネールが切り拓いてきたナチュラルワインの自由な考え、自由なワインに、アルザスワインが本来持つトラディショナルな部分をMIXしたアルザスワインの新しいスタイル。新時代の芽吹きを感じられる生産者です。
《ラベルについて》
彼らの(特徴的な)ラベルに表現されている作品は、オーレリアン・ガブリエル・コーエンによるもので、Représentation d'un geste symbiotique (共生のジェスチャーの表現)と名付けられています。人間が植物、発酵、熟成と言う、いわば錬金術を通して様々な自然の要因を明らかにする過程と、テロワールの概念を象徴的に捉え、表現したものです。