オリヴィエ・カルル リースリング・カール・ラ・ナチュール・エ・ベル[2018]
Olivier Carl Riesling Car la Nature est Belle18
タイプ | 白ワイン |
産地 | フランス/アルザス/ダンバッハ=ラ=ヴィル |
品種 | リースリング100% |
容量 | 750ml |
18は太陽に恵まれた年。東向き斜面、小石の多い沖積土壌に植わる樹齢25年のぶどう。全房を即圧搾、ごく軽くデブルバージュ実施。野生酵母の働きで自然に発酵させ、翌’19年8月に100年以上前から使われているフードル(大樽)にて10カ月熟成、SO2は一切添加せず瓶詰め。黄金掛かった色付きよいイエロー。山吹やエニシダの黄色い花の香り、黄桃の豊かな果実風味、ほのかにマカデミアナッツの香り、優しいペトロール香など、とても豊かでかぐわしい風味に富んでいる。自然な口当たりで、黄色果実が口中に広がる。程よい穏やかな酸とミネラルが永く続く。キュヴェ名は”la Nature est Belle”(自然は美しい)の文頭に、自分の苗字である”Carl”をくっつけ”Car la Nature est Belle”(だから自然は美しい)とした言葉遊び。
アルザスの中心都市であるストラスブールとコルマールを結ぶワイン街道の中程に位置する村、「ダンバッハ・ラ・ヴィル」にあるドメーヌ。ダンバッハは、ローマ時代よりぶどう栽培が行われている伝統ある村で、一番の特徴は花崗岩の土壌にある。この花崗岩が、ワインに華やかさをもたらす。また、とても乾燥した気候で、アルザスの特徴でもあるボトリティスが殆ど付かないことから、ぶどうの成熟期にじっくりと健全にぶどうが完熟する。辛口ワインの生産には非常に向いたテロワールであると云えるだろう。現在ワイン造りを行うオリヴィエは7代目で、20世紀初頭、祖父母の代では羊飼いをしたり、家畜を飼ったり、野菜の栽培をしたりしながら、ぶどう栽培を行いワインを造っていた。元々は造ったワインを樽に詰めて売っていたが、1923年、当時としてはとても珍しかった、瓶詰めで販売することを始めたところ、地域のレストランでとても好評となった。1960年代には、父アンドレが品質の高いワインを瓶詰めし、ドメーヌに人を招き試飲会を開催したところ、多くの人が集まるようになった。オリヴィエは2000年からドメーヌの仕事に携わり、2004年19歳の時にワイン造りを父アンドレから継承。そして完全に有機栽培に移行し、2015年ヴィンテージからラベル上にも「AB認証」と「エコセール認証」を表示し始めた。
またオリヴィエはヴァン・ナチュールの取り組みも始め、2015年ヴィンテージで初めて酸化防止剤を一切使用しないキュヴェを造り出した。その働きが評価され、2016年からはビネール率いるピルーエットのワインも醸造。オリヴィエは一部の例外を除いて、現在亜硫酸(SO2)を添加しないワイン造りを貫いている。それにもかかわらずオリヴィエのワインがこれ程までにエレガントで安定している理由は、時間を掛け、ワインが美味しくなるまでじっくりと待つ、ここに尽きるだろう。